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毛色診断(ver2.1)の予測精度募集馬AIをLOYO・年度外検証で評価

Report ID: AZKI-LAB-ADV-002
公開日: 2026-08-17

概要 Abstract

背景 Background

毛色診断(ver2.1)は、募集時点で観測できる血統・毛色カテゴリー・募集情報・測尺などから、将来の賞金順位とOP以上到達を別々に評価する募集馬向けランキングモデルである。将来の賞金や到達クラスは入力せず、両スコアを順位化して賞金50%、OP50%で合成する。単一の的中確率ではなく、賞金面と上位クラス到達面を両立させ、詳しく確認すべき候補を上位へ濃縮することを目的とする。

目的 Objective

募集時点で観測できる情報だけを使い、毛色診断(ver2.1)が将来の賞金順位とOP以上到達馬をどの程度並べ替えられるかを検証する。評価は年度をまたいだ未知データで行い、良い単年度だけでなく全期間の結果も示す。

全世代LOYO

N=3,705
賞金順位 ρ=0.239
OP ROC-AUC=0.664
PR-AUC=0.204

過去年外挿holdout

N=3,536
賞金順位 ρ=0.313
OP ROC-AUC=0.720
PR-AUC=0.234

直近年度holdout

N=323
賞金順位 ρ=0.320
OP ROC-AUC=0.782
PR-AUC=0.257

方法 Method

LOYO(Leave-One-Year-Out)は年度を一つずつ検証側へ外す方法、OOF(Out-of-Fold)はその馬を学習に使わないモデルによる予測を指す。Spearman順位相関は予測順位と実順位の対応、ROC-AUCはOP馬と非OP馬の順位識別、PR-AUCは少数であるOP馬を拾う精度と再現率を要約する。

結果 Results

全期間と年度外検証を分けて読む

全世代LOYOは賞金順位ρ=0.239、OP ROC-AUC=0.664だった。過去年だけで学習する外挿holdoutはρ=0.313、AUC=0.720、直近年度はρ=0.320、AUC=0.782である。直近年度の値は良好だがN=323の単年度評価であり、全期間の代表値とは分けて扱う。

検証方式別の主要評価値
検証方式N賞金ρOP ROC-AUCPR-AUC
全世代LOYO3,7050.2390.6640.204
過去年外挿holdout3,5360.3130.7200.234
直近年度holdout3230.3200.7820.257
全世代LOYO、過去年外挿holdout、直近年度holdoutの賞金順位Spearman、OP到達ROC-AUC、PR-AUCを比較した図。
Figure 1. 検証方式別の賞金順位相関、OP ROC-AUC、PR-AUC。
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A〜G評価は実到達クラスと対応する

過去年外挿holdoutでは、A評価のOP以上到達率は28.9%、G1到達率は8.2%だった。G評価ではOP以上3.1%、G1 0.1%である。一方、Aにも未勝利馬が29.6%含まれ、評価帯は成功を保証する区分ではない。

毛色診断(ver2.1)の予測AからGを上から並べ、各帯のG1、重賞、OP、3勝、2勝、1勝、未勝利の実到達クラス構成を示した100%積み上げ横棒グラフ。
Figure 2. 過去年外挿holdoutにおける、予測A〜G別の実到達クラス構成。
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上位候補へ賞金・OP到達馬を濃縮する

全世代LOYOの上位3%は112頭で、全賞金の9.6%とOP到達馬43頭を含み、OP到達率は母集団平均の3.78倍だった。過去年外挿holdoutの上位3%は107頭、賞金捕捉率10.9%、OP濃縮倍率3.96倍。直近年度の上位3%は10頭と少ないため、値の振れに注意が必要である。

総合スコア上位3%、5%、10%、20%の賞金捕捉率とOP濃縮倍率を、検証方式別に示した図。
Figure 3. 上位割合別の賞金捕捉率とOP濃縮倍率。
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年度によって精度は変動する

LOYO各年度の賞金ρ中央値は0.258(範囲0.082〜0.552)、OP AUC中央値は0.691(範囲0.564〜0.827)だった。単年度の良い結果だけを将来へ一般化せず、年度差を前提に使う必要がある。

募集年ごとの賞金順位SpearmanとOP到達ROC-AUCの変動を、検証方式別に示した図。
Figure 4. 年度別・fold別の性能変動。
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使い方 Practice

A〜G評価と総合スコアは、候補を並べ、動画・馬体・健康情報・育成状況・価格を追加確認する順番を決めるための補助情報である。Aだから出資、Gだから除外という自動判断には使わない。

Take-home. 毛色診断(ver2.1)の役割は予言ではなく、人が詳しく確認すべき候補を絞ることである。

限界 Limitations